日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年10月6日マスクをした話し方で気をつけるべきことは?

★マスクをしたままだと話が聞き取りにくい


新型コロナ感染はそろそろ収束の段階に入りつつありますが、まだまだマスクをしたままの生活は続きそうです。マスク生活が2年半に及び、随分慣れてきたとは思いますが、話をする際の障害になっていることは相変わらずのようです。コンビニやドラッグストア、飲食店などで店員さんとは話す際、よく聞こえなくて聞き返したり聞き返されたり、といった光景は相変わらずよく目にします。話が聞き取れないと少なからずストレスに感じますが、大方の人はそれでも話し方を変えようとはしないようです。どうせなら、マスクをしながらでも気持ちよく会話をしたいものです。
そこで、今回はマスクをして話す際に注意すべきことを述べたいと思います。




★大きめの声で話す


まず1つ目は「大きめの声で話す」ことです。
マスクをした店員さんには、マスクをする前と変わらない声の大きさで話す人が多いように感じています。話す内容が「袋はご入り用ですか」「ポイントカードはお持ちですか」など定型文言が多く、何気なく話していているからかも知れません。しかし、せっかく話すなら相手にしっかりと伝わる声で話してほしいものです。マスクをしていると、自分では普通に話しているつもりでも、相手に届く声は小さくなってしまいます。ですので、普段よりも意識して大きめの声で話す必要があります。言われてみれば当たり前のことかも知れませんが、上にも述べたように、このことを意識して話をしている人はほとんどいません。とても残念なことです。マスクをしている時は、普段よりも大きめの声で話しましょう。



★滑舌を意識する


2つ目は「滑舌を意識して話す」ことです。
マスクをしていると声がこもって聞こえてしまいます。なので、母音も子音も曖昧に聞こえてしまうのです。私たちは、曖昧で聞き取りにくい話でも、多分こうだろうと推測しながら聞き取っています。しかし、滑舌がよくない人がマスクをして話すと、推測できないほど発音が曖昧になってしまい、相手に聞き取ってもらえません。特にマスクをしていると子音がぼやけますので、か行のK、さ行のS、た行のTなどの子音をかなり強調して発音しなければ相手にはハッキリとは聞こえません。口を少し大きめに動かし、子音を強く発音すればマスクをしていてもしていなくても、相手に聞き返されることは格段に少なくなります。



★聞き取りやすい言葉を選ぶ


3つ目は「聞き取りやすい言葉を選ぶ」ということです。
以前、薬局で薬剤師さんがマスクをして「ご来局されたのは初めてでいらっしゃいますか」と言った場面を目にしました。残念ながら聞かれた人は「えっ、何ですか?」と聞き返していました。「ご来局されたのは」ということばは、書かれたものなら意味はすぐにわかります。しかし、普段私たちは「ご来局」などということばは耳にしないので、このことばで突然話しかけられると、とっさに漢字が思い浮かばず何を言われたのかわかりません。薬局の薬剤師さんにとって「ご来局」は馴染みのあることばなので、何気なく使ったのでしょう。この場合「私どものご利用は初めてですか?」など、相手が聞き取りやすいことばで話しかけるべきです。日本話し方センターの話し方教室では、「書きことば」ではなく「話しことば」を使いましょう、とお伝えしています。「ご来局」は典型的な書きことばです。私たちは、自分が馴染みのあることばを相手がわかるかどうか考えずに無意識に使ってしまいますので、注意が必要です。
ぜひ相手が聞き取りやすい話しことばで話すことを心がけてください。



★話し方を学びませんか?


今回はマスクをして話す際の注意点について述べましたが、お話したことは何れもマスクをしていない時でも留意すべき大切なことです。日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、上に述べたことも含めて話し方やコミュニケーション全般について幅広い内容の講義を行い、その講義内容に基づいたトレーニングを実施しています。ぜひご受講をご検討ください!

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